12月24日17時45分、足早に仕事を切り上げて表参道駅で恋人と待ち合わせ。帰宅してロウソクに火を灯し、ロートシルトを片手に早朝に仕込んでいた七面鳥やクリスマスケーキを一緒に食べる。幸せだねなんて二人で笑い合い、プレゼント交換をして….
なんてドラマみたいなクリスマスイヴは当然なくって、ペルルアトリエでは刺繍や大掃除が続いた(続いている)のです。
ああ、猫の手も借りたいとはこのことか!と一人ツッコミを入れ、師走を感じています。
皆さんはどのようなクリスマスを過ごされたのでしょう。現実はなかなか理想(理想なんてないのだけれど)とは異なり、私は帰宅後にひとり岩井俊二の小説ラブレターを読み返し、藤井樹のことを考えたり、中学時代の席替えで隣が気になる相手になってドキドキしたり、おはようなんてささいなことで嬉しくなったり、そんな遠い記憶を辿ったりもしました。そんな今日も、そういえば最近手紙を書いていないなあと、ハッとしつつブログを認めるのです。日常は思ったよりも早く過ぎてゆくけれど、どの地点の自分も、自分の記憶も、点で終わってはいなくて、一続きの線になっていて今の自分が形成されているなと師走のセカセカとした時期だからこそ思うのです。
そんな2019年の最後にご紹介するのは、日常の一コマを切り取った「街角シリーズ」より2016年に登場した『デート』。
シリーズで6種類登場したモチーフの中で大人気の『ショッピング』を横目に、WEBSHOPで彼は相手を待っています。
そんな彼が最初に手紙を認めるならきっとこう書くんじゃないかな、「拝啓、待ち合わせ様。 お元気ですか?私は元気です。 デート」と。
催事でも次第に登場が少なってきた街角シリーズですので、ぜひこの機会に彼を胸元につけお出かけを楽しんでみてください。
11月から始まったWEBSHOP BLOGですが、2020年もマイペースに続けてゆきます。今日も最後までご覧いただき、誠にありがとうございます。2020年はアクセサリーは勿論、kit、材料などもモノに纏わる事柄を絡めてご紹介します。駄文ですが少しでもほくそ笑んでいただき、ちょっとした会話のきっかけになることができれば本望です。2020年もどうぞよろしくお願い致します。(向田)
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Môko Kobayashi BLOG/Instagram
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夜
一時間ほど前に死んだ老いた善人が 特派の二輪車(チャリオット)に乗って 亜成層圏のあたりを上昇している
夜
一時間ほど後に生まれる子供が こうのとりにまたがって 亜成層圏のあたりを降下している
オリムポスでは
ミス・クロソー ミス・ラキシス ミス・アトロポスの三人が コオヒイを飲みながら テレヴィジョンでそれをみている
トウキョウでは
ひとりの詩人が お祈りをしながら 星空のスクリーンに それをみた
上の文は、1952年に刊行された谷川俊太郎処女作『二十億光年の孤独』の中の「夜」という詩だ。
戦後から7年、当時の東京から見える空はどのようなものだったのだろうかと、この詩を読みながら私は思う。現在は東京の空を眺めても、都会の環境から、視覚(明順応と暗順応)の都合上、星をなかなか見ることが出来ない。街灯一つない田舎のそれに比べると雲泥の差がある。つまり、たとえ遠くに輝く星(光)がいかに本質的に輝くものであっても、近くにある光は魅力的で眩しく、遠くにある光は暗く感じるのだ。
『エトワール』ブローチは2010年に登場し、Môko Kobayashiの中でも定番のアクセサリーだ。五つの星から、一つ星がゆらりと降り注ぐそれは、冬のコートやスカーフの上からも一際存在感が出る。今は、ファッションにせよ、日用品にせよ、人の手が加わらずに作られ安価な類似品が購入できる時代だ。人それぞれの自由だが、そんな時代だからこそ、一点一点、人の経験や手の感覚で紡がれた永く愛してゆけるものを私は選択してゆきたいと、上の詩を読みながら強く思ったのだ。(向田)
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12月に入り、街の至る所にイルミネーションが輝いている。それを眺めながら(あるいは眺めずに)、皆が写真を撮っている。微笑まし半面、個人的にはキラキラと眩しいなと感じたりもする。ところで、昔は携帯電話にカメラが付いたというだけでニュースになったのに、最近は子供までスマホを持つのが普通の時代で、ハイテクにすっかり慣れてしまった私たち。スマホで写真を撮るのに「これ手ぶれ補正機能すごくない!?」なんて会話はもちろん聞こえない。
現代は皆が写真を撮れる時代で、上手に写真を”撮る”人や、有名な写真家も数多くいるが、記録写真家であったウジェーヌ・アジェはご存知だろうか。19世紀から20世紀初頭にかけてフランスで活動し、当時のパリを階級の隔たりなく記録した写真家だ。彼の写真は全てにピントが合っているように見える。つまり、人間の視覚ではないということ。勿論、当時にスマホなんて代物はなく、シャッタースピードも遅く、現代人が想像できないような写真機を使用していたのだ。興味がある方は彼の写真を”ググって”頂きたい。ある意味、目の錯覚なのだ。
目の錯覚や世の中には不思議に見えるものは数多くあるが、今回ご紹介するのは「不可能図形」シリーズから新作の『ペンローズ三角形』だ。詳しくはペンローズの三角形を見て頂きたいが、Môko Kobayashiの中でも、シンプルな構造ながらビジュー寄りで、ヴィンテージビーズの美しさが際立って見えるアクセサリー。長い間、デザイナー小林モー子の頭の中には案としてはあったモチーフが、ついに先日リリースされた。シーンや性別を問わず着けやすいのもポイントである。地味な色味になりがちな冬のコーディネートにも凛と輝きが出るだろう。それは、街のイルミネーションとは一味違った輝きだ。(向田)
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12月4日(水)より伊勢丹新宿本館1階=アクセサリー/プロモーション2にてMôko Kobayashi POP-UP SHOP開催いたしました。
私も7日(土)、8日(日)在店予定ですのでお気軽にお声がけください下さい!
皆様、お誘い合せの上お越しください。
また、DMをお送りしました皆さま。
営業時間の記載が10:00-20:00のところを誤って10:30-と記載されておりました。大変申し訳ございませんでした。
また、既にお越しいただきました方々にもお詫び申し上げます。お時間お間違えのないようお越しください。
一部売り切れ商品はございますが、新作含めたくさんの種類をご用意しております。
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《Môko Kobayashi POP UP SHOP》
日時:2019.12.4 wed. – 10 Tue. 10:00-20:00
場所:伊勢丹新宿本館1階=アクセサリー/プロモーション2
住所:東京都新宿区新宿3-14-1
URL:https://www.isetan.mistore.jp/shinjuku.html
問い合わせ先:03-3352-1111
デザイナー来店日
デザイナー・小林モー子来店日:12月4日(水)、6日(金)~8日(日) 各日13時~17時予定(途中休憩などで不在の可能性がございます)
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